
どうもKobayです!
今回はイチジクの簡単な歴史と、おもしろいイチジクの生態についての記事です。
イチジクの歴史
イチジクの歴史は古く、紀元前から栽培されており、古代エジプトの壁画に描かれていたほど古くから栽培されてきた果物です。アダムとイブが大事なところを隠している葉っぱ、あれはイチジクの葉だそうです。つまり、人類最初の服でもあるんですね(笑)
確かに、自然のものであれだけ甘味があり、乾燥すればかなり保存の聞く果物はそれほど思い浮かびませんよね。昔の人にとっても甘味の原料として重要な農作物だったようです。
日本へは江戸時代に中国経由で長崎に伝来したそうです。ただ、一般的なイチジクが伝来する前から、日本にもイチジク属は自生しており、現代でも一部食べられたりしていますので、江戸時代以前に、イチジクのようなものが全くなかったかと言えば、そうではありません。
イチジクの食べ方
イチジクは生食もできますが、スーパーで目にしても中々手が伸びないのではないでしょうか。横のオレンジやパイナップルを買ってしまう。日本の食卓ではそれほどメジャーな部類の果物ではない印象です。
我が家では、ネットで乾燥イチジクを購入しています。他のドライフルーツですと、水分や、日持ちさせるために加糖しているものもあるのですが、イチジクは糖度が高いからか、無添加そのままで乾燥させたものが多く、健康的です。
お酒を飲む方は、塩味のあるナッツ類と一緒に食べるとイチジクの甘味と、ナッツの塩味が双方際立って複雑な味わい、ワインやウイスキーなんかに良く合います。
イチジクは単独では生きられない、イチジクコバチとの共生
イチジクの繁殖方法は複雑で面白いです。ただでちょっとわかりにくいです。フルポタでは、どこよりもわかりやすく説明いたします!
多くのイチジクには雄木と雌木があり、それぞれ実(花嚢-内部に雌花と雄花が咲きます)がなります。我々が食べることができるイチジクは雌木になる実です。
はじまり
イチジク(イチジクコバチ)の繁殖は雄の実から始まります。イチジクの共生者であるイチジクコバチというハチが、雄の実の中の雌花(ややこしい)で孵化します。(彼らが孵化する前に、1匹~複数のメスが、この実の中の雌花に産卵しています、彼らが産卵しなかった雌花には種ができますが、産卵した雌花は幼虫の餌になります)
幼虫は、花の中で孵化し、雌花に虫こぶを作ります。オスのイチジクコバチには大きなアゴがあり、成長すると、このアゴを使って虫こぶを破って出てきます。孵化したオスは、メスの入っている虫こぶを探し、顎で虫こぶに穴をあけ、出てきたメスと交尾します。ちなみに、メスは自力で外にでることができません。
彼らの親世代が産卵し、子世代が交尾するころには、この雄の実の中の雄花(またややこしい)がいい感じに成熟し花粉を作り出します。


旅立ちと別れ、そして大いなる賭け
準備が整うと、オスはメスのために実に穴を開けます。メスこの実で作られた花粉とともに、穴を通って外の世界に旅立ちます。オスは、そのまま取り残され、実の中で一生を終えます。オスの一生は以上です。かなしい。
メスの寿命は短く、半日から1日。その限られた時間の中で産卵しなければなりません。
メスは、イチジクの実を探して飛び回ります。適当だと思われる実を見つけると、口の部分(イチジクのお尻?の部分)から内部に侵入します。この口は非常に細く、他の虫は入ることができません。この穴はあまりにも細すぎで、メスは侵入の過程で羽と触覚がもげてしまいます。
侵入に成功すると、適当な雌花に産卵管を刺して産卵しますが、一つ仕掛けがあります。最初に、イチジクには雄木と雌木があると書きましたが、この時、メスが侵入した実が、雄木の実だった場合、次世代に命を繋ぐことができます。幼虫は、この実の雌花を食べながら安全に成長することができます。
もし入った実が雌木の実だった場合、内部の雌花に産卵することができません、雌木の実の雌花は、雄木の雌花よりも花柱が長く、雌の産卵管が届かないのです。メスは、イチジクのために花粉を届けたまでは良かったのですが、自身は子孫を残すことができず一生を終えます。

メスは脱出もできず、実の中をうろうろして一生を終える
つまり、メスが雄木の実にたどり着けば、子孫を残すことができ、雌木の実にたどり着くと、イチジクが子孫を残すという仕組みになっているのです。この実、雄木のものか雌木のものかを見た目で区別するのは難しく、イチジクコバチのメスもギャンブルするしかないのです。(実際は、雄木の実の雌花すべてにメスが産卵するわけではないため、雄木の雌花の一部が種子になることもあるようです)イチジクも、イチジクコバチも、片方が滅びるともう片方が滅びる運命にある、このような関係を絶対共生と呼ぶそうです。メタファーで、ハリウッド映画作れそうですね。
また、イチジクコバチ、イチジクの種類によってそれぞれ対応する種がいるらしく、あるイチジクコバチが、すべてのイチジクに産卵できるわけではありません。いや~進化の過程が細かいですね。
イチジクの中に虫が入っているのか?
こうなると、日本で販売されているイチジクの中に、かわいそうなメスが入っているのではないかと思うのですが、メスがいたとしてもほとんどの場合、イチジクの持つ強力な酵素(フィシンというそうです)によって分解されてしまうそうです。もし残っていたとしても、小さくて見つけることは困難だとも。
さらに、日本で栽培されているイチジクは「桝井ドーフィン」という品種が多いそうで、この品種はイチジクコバチによる受粉を必要としない、単位結実性です。また、日本では気候の問題でイチジクコバチが生息できないということもあるそうです。
虫を使った本格イチジク
イチジクコバチとイチジクの不思議な関係、魅力的ですね。味の違いがあるのか分かりませんが、今でもコバチと共生しつつ、しかも食べることもできるイチジク属をご紹介します。

イヌビワです。“ビワ”という名前がついていますが、イチジク属の植物です。現在のイチジクが日本に渡来する以前は、これがイチジクと呼ばれていた種だそうで、そういう意味でも本格イチジクではないでしょうか。関東以西に自生しているそうで、神奈川県南部でも、公園の隅や遊歩道の脇、擁壁の隙間なんかに生えているのを見ます。それほど環境が良さそうとは思えない場所に生えていますが、秋になるとそれなりに実がなっているので、家庭菜園や庭木としてキチンと育てると収量が上がるかもしれません。
試しに、黒い実をつけている雌木の枝を15㎝ほど拝借して挿木してみたら根が出たので、庭に植えています。斜めに切った枝を、丸1日メネデールを希釈したものに浸けたのち、挿木用の用土に差し入れて、乾かないようにこまめに水をやっていたら、1~2週間で根が出てきたので植付けました。植付けの適期は12月~翌3月の冬の間だそうですが、9月中旬に植付けても成功しました、植え付け後一度すべて落葉しましたが、少しして新芽が出てきました。
もう冬でしたので再び落葉してしまいましたが、春に芽吹く新芽が至るところに出てきており、生命力の強さを感じます。なお、赤い実をつけているのは雄木ですので、増やしても実を食べることはできませんので注意してください。秋口になるとビー玉くらいの大きさの実がなります。熟すと黒く色づいて甘くなり、皮をむかなくてもそのまま食べることができます。
みなさまも、イヌビワを入手する機会があったら試して見てください!
〈参考サイト アクセス日2023/01/19〉
Wikipedia-イチジク
Wikipedia-Blastophaga psenes
教職員生涯福祉財団-いちじく(無花果)
JAあいち中央-イチジク
JT生命誌研究館-花のゆりかごと空飛ぶ花粉-イチジクとイチジクコバチの共進化 横山潤+蘇智慧
JT生命誌研究館-持ちつ持たれつの生存戦略 蘇智慧
九州緑化協会-花のコーナー
日本テレビ 知識の宝庫、目がテン!ライブラリー 第797回 イチジク
やくしまじかん-生きていく為に、絶対必要な存在 ~イヌビワ&イヌビワコバチ~
GREEN PIECE-イヌビワの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
Wikipedia-イヌビワ
(動画)どうしてイチジクの中から蜂の死骸が見つかるの?イチジクって本当に花?-サイエンスドリーム
