皆さまこんにちは、Kobayです。
今回はプラムのお話(物語)です。最後にプラムを食べたくなるようなお話にしていきますので、お楽しみください!

プラムの季節
春も終わりを感じる5月、ここは愛知県あま市。今日はよく晴れた。週末だったのでいつもより遅く起きてしまった。こんなにいい天気ならもっと早く起きて散歩にでも行けばよかった。
部屋からでると浜実はすでに起きていて、子供たちの朝食の後片づけをしていた。
「こんな遅くまで、いいご身分ですことね」
浜実は朝から嫌味をぶちかましてくる。
「やっと休みで、今までの睡眠不足を補っていたのだから多めに見てくれよ」
「私も仕事しているのだけど、私は休めなくてもいいわけ?」
と言いつつ、浜実は別に起こっている風でもない。いつものことだ。
浜実の家族みんなに対する献身や、やさしさにはいつも頭が下がる。こんな無能な僕と一緒になってくれてありがとう。
「子供たち、午前中は絵画教室、正美は午後おばあちゃん家、大樹は午後塾で帰りは夕方だよ、おばあちゃんが送ってきてくれるって」
「昼飯はどうするの?」
「おばあちゃん家にお願いしたよ」
「じゃあ今日は夕方まで時間があるんだね、どこかに行く?今日は天気がいいから」
「南知多の方にドライブにいかない?海が見たい」
「いいね、ちょっと調べるね、、、ええとあまからだと片道1時間30分くらいだね、今」
「じゃあいきましょう」
僕と浜実は準備を整えると、愛車のエスクァイアに乗り込んだ。
僕が、運転席に乗り込むと、運転席のフロアマットが土で汚れている、泥が乾いたのか、白っぽい土がこびり付いている。
「あれ?またおじいちゃん、畑行くのにこの車使ったの?」
「ああ、この前、草刈するから貸してくれって言われたんだった」
浜実の父母はこの近くに住んでいて、今日のように子供の面倒を見てくれるのは良いのだが、趣味の畑のために、僕の愛車のエスクァイアを借りていく。彼らが乗っている、年代物のカローラⅡには草刈り機が乗らないそうなのだ。
後ろを見ると、バックシートが倒され、所々土で汚れている。
「おじいちゃん、肥料とかもこれで運んだのか。せめて洗って返してほしいのだけど」
「仕方ないでしょ、この車買うとき、お金出してもらったんだから、あと汚れたからはらっておいた、っていってたよ」
「はらったって、、まぁそうだけど、そんなに農業が好きなら、軽トラでも買えばいいのに」
「だから私は、中古でいいっていったんだよ」
去年まで僕ら家族は、かなり型落ちの中古セレナに乗っていた。込々で30万円だったろうか。シルバーで、塗装は長年直射日光にさらされたせいで、天井部分がまだら模様になっている。ホイールカバーも、以前のオーナーが運転下手だったのか、ガビガビに傷だらけだった。浜実が、最初の子供ができたとき。
「やっぱりミニバン必要でしょう」
ということで急いで買ったものだ。いろいろと物入りだから、車はとりあえず動けばいいという、浜実の正論に押され、購入したものだ。
このくらい使い古された車だと、浜実の父も気兼ねなく使いやすかったのか、当時はしょっちゅう貸し出していた。自動車保険が高くつくので正直嫌なのだけれど、もう、農作業には、「浜実の家のセレナ」というのが、彼らの中で当たり前になっていた。
だから、今回のエスクァイアは、そういう事になりたくなかったから、新車で購入した。新車のミニバンを農作業にガシガシ使うのは、さすがにしないだろうと。あわよくば、彼らに、車を借りるのはあきらめさせて、軽トラなんかを購入してもらえるのではないかと。
以前、訪ねてきたときに、セレナを売りに出すことを伝えると、浜実の父が。
「おお、セレナ売っちゃうんか~。新車買うのか、いいなぁ」
と言っていた。それきりだったが、後日浜実から。
「おじいちゃんが、新車祝いだって」
と言って200万円くれた事を僕に伝えた。
「いや、こんなもらっちゃっていいの?悪いよ」
「なんか、今までセレナ使わせてもらったからそのお礼だって。いままでありがとうって」
「いや、でもなぁ」
「まぁいいんじゃないの。くれるっていうんだから」
というやり取りがあったのが半年ほど前、納車後しばらく大人しかったのだが、温かくなってきた最近、エスクァイアの出動回数が明らかに増えている。新車とか、あの人たちには関係なかったのだ。
その後、僕たちはセントレア空港を少し過ぎるあたりまで、国道247号線を走り、そこから海沿いの県道をドライブした。後半に続く。
