【短編小説】星降る夜の贈り物 / 前編

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光が丘町は、夜になると空から無数の星が降り注ぐ幻想的な場所だった。

町の広場には、星の光を受けて美しい果実「星の実(ほしのみ)」がなる大きな木が立っていた。
この星の実には、心の痛みを癒すと言い伝えられる不思議な力がある。

ある夜、都会から訪れた青年のコウは、疲れた心を抱えて光が丘町にたどり着いた。都会の忙しい生活に疲れ、夢を見失った彼は、星の輝きに導かれるように広場へ向かった。

広場には優しい光が満ち、人々の笑い声が響いていた。町の住人たちは温かく彼を迎え、ひときわ輝く星の実を手渡してくれた。

「これを食べると、心が少し軽くなるかもしれません。」

半信半疑で星の実をかじった瞬間、コウの胸に忘れかけていた思い出が蘇った。幼い頃の家族の笑顔、夢を追いかけていた若い頃の自分。心がほんのり温かくなり、目頭が熱くなった。

しかしその夜、広場の星の木が突然光を失い、空から星が降らなくなってしまった。

「一体何が起きたんだろう?」 町長のセラは険しい表情でコウに尋ねた。「君が来た夜に星が消えた。何か心当たりはあるか?」

驚きと戸惑いの中、コウは自分が何か悪い影響を与えたのではないかと不安になり、町を救う方法を探し始めた。


後編 ▶


[ojisama]

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