
コウは町の人々と協力し、星の木の根元を掘り起こした。
そこには古びた石板が埋められており、古い伝承が刻まれていた。
「星の実は、孤独な心を癒すもの。その力は、思いやりの心によって輝きを取り戻す。」
町の人々は思い出した。最近、星の実を求める観光客が増え、町の利益を優先するあまり、心のこもらない形で売るようになっていた。
コウは決意の表情で提案した。「星祭りを開いて、星の実を無料で配りましょう。皆で思いやりの心を持てば、光が戻るはずです。」
その夜、町中が明るい光に包まれる大きな星祭りが開かれた。町の人々と旅人たちは星の実を分かち合い、笑顔と温かな気持ちが町に広がった。
突然、広場の星の木が眩しい光を放ち始め、空には無数の星が再び降り注いだ。
祭りの終わり頃、町の古老マリがコウに語りかけた。「思いやりの心が町を救ったのよ。あなたの行動が私たちを目覚めさせてくれた。」
町の子どもたちは歓声を上げ、星の実を抱えて走り回っていた。その様子を見たコウの胸には、久しぶりに温かな満足感が満ちた。
翌朝、町を発つ前に、町長のセラがコウに手紙を手渡した。「いつでも戻ってきてください。この町はあなたの心の故郷です。」
コウは微笑んで頷いた。「ありがとう。ここで得た光を、次の場所でも分かち合います。」
空には明るい朝の星がひとつ、名残惜しそうに輝いていた。
[ojisama]
